会頭挨拶
このたび、第44回日本小児皮膚科学会学術大会を大阪医科大学皮膚科学教室、小児科学教室で主催させていただきますことを大変光栄に存じております。
本学術大会は当初、2020年7月11日(土曜)、12日(日曜)の両日、大阪北部の千里ライフサイエンスセンターにて開催予定でしたが、新型コロナウィルス(COVID-19)感染症の世界的な蔓延のため、一度は2021年1月9日(土曜)、10日(日曜)、大阪国際交流センター(大阪市)での開催に延期いたしました。しかし、COVID-19感染者数は減少してきているとはいえ、参加者の皆様の安全を最優先と考え、各方面のご意見を伺い慎重に検討を重ねました結果、第44回日本小児皮膚科学会学術大会は完全WEB開催(会期は延期後の日程と同じ2021年1月9日、10日)にさせていただくことといたしました。
今回の学術大会テーマは、「おおきくなあれ~難病のこども、家族とともに~」です。現地開催予定で当初掲げました、①日々進歩する小児皮膚科学に関する正しい情報を幅広く先生方にご提供し、最新の知見を学んでいただくという例年の学会のスタンスに加え、②小児難病の最新の話題、難病をもつ親の思いを医師、医療従事者、各関係者にご提供するためのシンポジウム、教育講演をプログラムに多く組み入れる、の2つの大きな大会コンセプトはWEB開催でも変わりません。プログラムは現地開催として決定したものを可能な限り踏襲する予定で準備を進めております。特別講演では神戸大学の青井貴之教授に「iPS細胞を用いる医学の展開」というテーマで難病治療の研究に言及していただきます。血管腫・血管奇形に対するIVR治療の世界的権威である大阪医科大学放射線診断学の大須賀慶悟教授には最新の知見を提供していただきます。また大阪医科大学小児科名誉教授の玉井浩先生をお招きしてダウン症候群の総合診療をテーマにご講演いただきます。小児皮膚難病関連の3つのシンポジウム、5つの教育講演に加え患者家族会の方々にご参加いただくファミリーセッションも企画しております。今回は完全WEB開催となりましたが、ご聴講の皆様には難病研究を含めた小児皮膚科学の最先端の潮流を肌で感じていただけるものと期待しております。
本学会の歴史は古く、第1回の学術大会は1977年6月に安田利顕先生を会頭には笹川記念会館(東京)にて開催されました。その後、年1回の学術大会は関東地区での開催が多く、これまで関西での開催は第23回(1999年、和歌山)のみでした。今回、「初めての大阪大会」が叶わず残念ではありますが、大阪医科大学皮膚科学教室、同小児科学教室の医局員一同、多数の皆様のWEBでのご参加を心よりお待ちしております。
- 第44回日本小児皮膚科学会学術大会
会 頭森脇 真一(大阪医科大学皮膚科)
副会頭芦田 明(大阪医科大学小児科)